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第一部 短編演劇「二輪咲き」


冒頭はリリウム同様リリーのナレーション「嘗てヴァンプは不死の命を…」ってやつから始まる。
その後本編にもあったほぼ全員で薬を飲むシーンでクランの日常を思い出させる。

場面は変わってシルベチカがリコリスと会話をしている。
そこに割って入るリリーとチェリー

シルベチカ「私生きてる?塔から飛び降りて死んだんじゃ?」
チェリー「あんた何バカなこと言ってんのよ!」
リリー「繭期で頭がおかしくなったんじゃないの?」
シルベチカ「でも私…」
リリーとチェリーがシルベチカと話している時にピーアニーが現れる
ピーアニー「お姉様がみんなを集めるようにって。なんでも新しい人がこのクランに来るから紹介するみたいですよ」


ピーアニーはチェリーに可愛い可愛いと絶賛されながら思い切り頭をなでなでされる溺愛っぷり。
ピーアニーは監督生の指示によりクランのヴァンプを一堂に集めるようにとのことでリリー、チェリー、シルベチカを迎えに来た


紫蘭と竜胆により新しいクランの仲間の紹介がある。


紫蘭と竜胆が一人のヴァンプを連れて皆の前に立つ。
竜胆「お前たち、今日からこのクランに入る新しい仲間よ」
紫蘭「さぁ、皆に自己紹介を」
?「何で?」
紫蘭「何でって初めて会う仲間に自己紹介するのは当たり前だろう!」
?「当たり前?…当たり前って?」
?「あなたたちにとって当たり前のことでも私にとっては当たり前ではない!私にとっての当たり前は……みんな大嫌い!」
竜胆「み、皆さん!マリーゴールドさんです!仲良くして下さいね!」
その場をさっさと後にするマリーゴールド
紫蘭と竜胆も外に出ていく
ざわつくヴァンプたち


チェリー「何今の!感じ悪い!」
ローズ「ねえねえ、さっきのヴァンプってダンピールらしいよ」
チェリー「ダ、ダンピール!?」
カトレア「ダンピールと一緒とか信じられない!」
リリー「どうしたの?チェリー」
チェリー「ど、どうもしないわよ!」
リリー「何動揺してんのよ」
チェリー「全然!動揺なんかしてない!」


マリーゴールドがダンピールだと知り激しく動揺を見せるチェリー。
そのことに気付いたリリーが色々と話を突っ込んでいるところにマーガレット登場


マーガレットは本編同様の繭期っぷり。親衛隊のミモザモンステラ(相川)、ヒマワリ(室田)を従えて「今夜はダンスパーティーよ!」と言い出す。
そして近くにいたヴァンプ(生田)に


マ「じいやー!」
生「じいやじゃねーし」
マ「じいやじゃない・・ばあやー!」
生「ばあやでもねーし!」


散々その場を引っ掻き回して去っていくマーガレットたち。
そんな様子を一人寂しそうにして見ているスノウ。
リリーが気づくも何も言わずに去っていくスノウ。
リリー「いつも寂しそう・・・まるで何かを諦めたみたいにどこか悲しそうな・・・」


そして今度は男子寮からキャメリアが現れる。
恋人のシルベチカに会いに来たんだと堂々とシルベチカを抱きしめるキャメリア
チェリーはその様子が気に入らないらしく
チェリー「ちょっと!こんなところでイチャつかないでよね!」
キャメリア「どうしてイチャついちゃいけないんだ!」
などと口論になる。


リリー「2人とも仲が良いのね」
キャメリア・チェリー「仲良くなんかない!」


キャメリア「シルベチカ!こんなバカはほっといて行こう!」
とシルベチカを連れて行こうとするキャメリア
そこに「あああ!貧血だぁー!」と現れるファルス
リリーがファルスを気遣って手を差し伸べると
ファルス「ねぇ、このあとお茶でもどう?」と口説き始める
照れるリリーに壁ドンして迫るファルス


そこに紫蘭が現れて「こらー!お前たち何をしている!」
紫蘭に追いかけられて逃げるファルス


キャメリアもシルベチカを連れてその場を離れる
チェリー「あ!ちょっと!バカって言う方がバカなんだからー!」


リリー「知ってる?あの二人付き合ってるらしいわよ」
チェリー「だから何!?そんなこと私にはどうだっていい!」
リリー「素直じゃないなぁ〜」
チェリー「はぁ!?」
リリー「よし!今夜は飲みに行くぞー!」
チェリー「何新橋のサラリーマンみたいなこと言ってんのよ!」
そんなクランの日常


場面は変わりシルベチカの繭期とクランの説明からリコリスとシルベチカの会話のシーンへ
シルベチカ「昔のことが思い出せないの。自分が死ぬ夢を見たり」
リコリス「それって予知夢だったりして。繭期にはイレギュラーって症状があるの。嗅覚が異様に鋭くなったり触れた者の死を見ることが出来たり」


場面は変わり紫蘭に無理矢理手を引かれながらファルスの元に連れて来られるマリーゴールド
ファルス「このクランで生活するためには儀式を受けて貰わねばならない」
マリー「儀式…!?」
そしてマリーゴールドを噛むファルス
ファルス「これでお前もイニシアチブの虜だ…さぁ立ち上がるんだ」


場面は変わりシルベチカと会話するチェリー
チェリー「私とあなたは幼馴染で親友よ。それを前提として聞くけど・・・キャメリアと付き合ってるの?」
シルベチカ「付き合ってなんかいないよ?それよりキャメリアを好きなのはあなたでしょ?私はチェリーを応援するわ」
チェリー「は?何言って!?」


そこにリコリスが現れる
リコリス「シルベチカ、ちょっと一緒に調べて欲しいことがあるから付き合って」
シルベチカ「リコリス、わかった。じゃあチェリーまたね」
と言ってその場を離れるシルベチカ
その様子を見てチェリー「・・・どうなってんの・・・?」



リコリスに連れられてシルベチカ「ねぇリコリス、何を調べるの?」
リコリス「あぁ…あれは嘘。あなたにチェリーを応援なんてされたら困るのよ」
シルベチカ「え?」
リコリス「キャメリアは…私のモノよ…」



場面は変わり紫蘭と竜胆から逃げ回るピーアニー
ピーアニー「お姉さま、どうして!?」
紫蘭「祝福するぞピーアニー、お前は適合試験者に選ばれたのだ」
竜胆「お館様はあなたのことを認められたわ。ウルと成り得る可能性を」
そこに現れるファルス
ピーアニー「お兄様!お姉様が狂って…」
竜胆「お館様、準備が整いました」
ピーアニー「お館様…?」
ファルス「本当はね、お館様なんていないんだ。僕が作ったクランだからね」
ピーアニー「このクランは何百年も前からある…まさか…TRUMP!?」
ファルス「TRUMP?…僕が…?フフフフフ・・・ハハハハハハハ!」
ファルス「あんな奴と一緒にするな!クラウス・・・僕から死を奪った!僕はTRUEじゃない・・・僕はFalse(嘘)だ・・・!」
竜胆「…それでも私達にとってはあなたがTRUMPです」
紫蘭「さぁ、かの者にスティグマをお刻み下さい」
ファルスに短剣を差し出す紫蘭


短剣を手に取りそのままピーアニーの体を突き刺すファルス
ファルス「僕が絶対に君を死なせやしない・・・さぁ立ち上がるんだ!君が不死であることを証明してみせろ!」
しかしピーアニーの体はピクリとも動かない
ファルス「・・・君もウルにはなれなかったか・・・」
紫蘭「また失敗か…」
竜胆「やはり我らが不死を手にすることはこの空に浮かぶ星を手に取ることが出来ないように難しいことなのか」
ファルス「・・・星・・・・・・」
両手を上げて空に手を伸ばすファルス
ファルス「・・・僕は手に入れてみせる・・・永遠の繭期を!」


影から物音がする
紫蘭「誰だ!?」
すかさず物陰に走っていく竜胆
その竜胆によってファルスの前に連れ出されたのはスノウだった
紫蘭「見られたか・・・」
ファルス「スノウ・・・こっちへ来るんだ・・・」
ファルスの前に跪くスノウ
スノウ「これは・・・イニシアチブ・・・どうしてあなたが?」
ファルス「君たちはみんな僕の虜だ・・・」


ファルス「やぁ、スノウ」
スノウ「・・・あれ?私・・・どうしてこんなところに?ファルス?紫蘭、竜胆?」
竜胆「もう夜も遅いわ。早く部屋に帰って休みなさい」
出て行こうとするスノウ。しかし急に立ち止まり振り向く


スノウ「…TRUMP」
紫蘭「・・・!?今なんと言った?」
スノウ「…あれ?私…どうしちゃったんだろう…ちょっと疲れてるみたい…」
そう言って走り去るスノウ
紫蘭「今のは・・・?」
竜胆「どうして?お館様のイニシアチブが効かないなんて!?」
ファルス「…そうかスノウ…君は僕になり始めているのか…!!」


場面は変わりミモザモンステラ、ヒマワリ、チャイブ、ペチュニア、カンナ、オダマキらが噂話をしている
「ねぇねぇ聞いた?ピーアニーがいなくなったらしいよ」
紫蘭と竜胆が血まみれになったピーアニーを運んでいるのを見たって」
「誰かに殺されたの?」
「殺されるのは嫌!」
ファルス「・・・嫌なことは全部忘れればいい・・・・・」
噂話をしていたヴァンプ達がみな何事も無かったかのように日常へ戻っていく姿を見て苦悩するファルスの姿がそこにあった


場面は変わりリコリスが泣いている
シルベチカ「リコリスどうしたの?」
リコリス「ピーアニーが死んじゃった・・・」
シルベチカ「ピーアニー?そんな子ここにはいないよ?」
リコリス「みんな忘れてしまっただけ・・・誰かがイニシアチブを掌握していて忘れちゃいけないことを忘れさせているの」
シルベチカ「誰かって?」
リコリス「わからない・・・でもシルベチカ、安心して。あなたが忘れても私が覚えているから」
シルベチカ「わかった・・・眠くなってきたからもう行くね」
その場を去るシルベチカ
そこへキャメリアがやってくる


リコリス「キャメリア」
キャメリア「探してたんだ。ねぇ、誰かと話してた?」
リコリス「ううん、誰も」
キャメリア「そう・・・誰かと話してたような気がするんだけど」
リコリス「それより・・・私を抱きしめて・・・」
リコリスを優しく抱きしめるキャメリア
キャメリア「ずっと一緒にいよう。一緒に歳を取っておじいちゃんとおばあちゃんになっても一緒に手を繋いで歩こう」
リコリス「でもキャメリア、もし二人が一緒にいられなくなるようなことがあっても一つだけ約束して欲しいことがあるの」



キャメリア「何だい?シルベチカ」


暗転


「私を忘れないで」




以上が「二輪咲き」のおおよそのストーリーになります。
以下はリコリスを演じた飯窪春菜さんのブログよりネタバレの転載です。

ここで、言える範囲でリコリスのことをお話ししたいと思います(*^^*)


リコリスとシルベチカは、ふたりでひとりなんです。

シルベチカにとってリコリスはお友達だけど、それはイマジナリーフレンドなんです。

シルベチカは多重人格者で、リコリスはシルベチカの中の人。

だからシルベチカ以外からはリコリスの姿が見えない、、、



そんな少女、リコリスを演じさせていただきました!

演じていても、リコリスってとてもミステリアスだなと思ったし

お友達である優しい一面と、キャメリアへの執着心、狂気を感じさせてまるでリコリス自身も二重人格者のようだなと思いました。


とのことです。
最後の「私を忘れないで」はリコリスとシルベチカ二人の声で暗闇の中に声が響くという演出でした。
キャメリアがリコリスを抱いているのに「何だい?シルベチカ」と言うところで暗転するゾクゾクものの叙述トリックでした・・・